またぞろ「ヤミ金」

 企業にも個人にも忍び寄る「来店不要」「業界最安」「即日入金」の甘い謳い文句。新型コロナウイルスの第2波を警戒しつつようやく「新たな日常」の模索が始まりましたが、既に全国では170件以上の企業が倒産し、学校への登校もままならず、不要不急の外出が未だ要請されている現状では、まだまだ当面の資金繰りに頭を悩ませている経営者の方が多いのではないでしょうか。
 事業の再開さえ思うに任せず、先行き不安を抱える経営者の目に飛び込んでくるのが甘い言葉です。善良な業者を装いながら、ヤミ金業者は「借りない資金調達」と称して偽装ファクタリングを仕掛けてきます。本来のファクタリングは、事業経営者が売掛債権をファクタリング会社に譲渡し現金化する仕組みです。そのメリットには、①早期に現金化できる、②銀行に比し審査基準がゆるやか、③担保・保証人が不要、④売掛金の回収義務が無い等があります。
 確かに使い勝手の良い仕組みですが、ちょっと待ってください。まずはデメリットとリスクに目を向けましょう。まずデメリットは①手数料が高めに設定されている、②売掛金の範囲内での資金調達、③売掛先へ通知する場合がある等です。そして最も恐ろしいのが悪徳業者の存在です。
 この場合は①法外な手数料の要求、②違法金利での貸し付け、③売掛先からの回収義務等です。ファクタリングには、銀行における「銀行法」や貸金業における「貸金業法」は存在しません。ファクタリングサービスを受ける場合は、サービス提供企業の選定が最も重要です。各地の商工会議所や商工会の窓口に相談されることをお勧めいたします。
 くれぐれも「偽装ファクタリング」にお気をつけください。

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